TTS・TTB・TTM 完全比較 2026 — 銀行の3つのレートと仲値の正体
⚡ 30 秒で結論: TTM = 仲値(毎朝 9:55 銀行が決める基準)/TTS = TTM + ¥1(あなたが外貨を買うレート、銀行が売る)/TTB = TTM − ¥1(あなたが外貨を売るレート、銀行が買う)。USD は片道 ¥1(約 0.7%)、SGD は ¥1.6(約 1.4%)、CNY は ¥0.3(約 1.5%)、KRW は ¥0.04(約 4-5%)。Wise なら仲値 -0.5% 固定で、メガバンクの 1/3〜1/10。
クイックリファレンス 値 TTM 仲値(基準値・9:55 確定) TTS TTM + 片道スプレッド(買う側) TTB TTM - 片道スプレッド(売る側) USD 片道 約 ¥1(0.6-0.7%) CNY 片道 約 ¥0.3(1.3-1.5%) KRW 片道 約 ¥0.04(4-5%) Wise 片道 約 -0.5%(仲値 + 手数料) 最終確認 2026 年 6 月
両替明細を見て「あれ、なんでこんなにレートが違う?」と思った経験、ありませんか。 銀行の窓口や両替商で目にする TTS・TTB・TTM はそれぞれ役割が違う 3 つの価格で、この差(スプレッド)こそが両替コストの正体。¥100,000 を 4 通貨に両替して実測し、Wise との差まで一気に整理します。
30 秒で結論
- TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)= 仲値。毎朝 9:55 に各銀行が決める、その日の基準レート。
- TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate)= 銀行があなたに外貨を売るレート。あなたが日本円を払って外貨を受け取るとき。TTM より高い。
- TTB(Telegraphic Transfer Buying Rate)= 銀行があなたから外貨を買うレート。あなたが外貨を渡して日本円を受け取るとき。TTM より低い。
| 通貨 | TTM 例(参考) | TTS(TTM+α) | TTB(TTM-α) | 片道スプレッド |
|---|---|---|---|---|
| USD/JPY | 151.50 | 152.50 | 150.50 | ±¥1.00(≒0.66%) |
| EUR/JPY | 164.00 | 165.50 | 162.50 | ±¥1.50(≒0.91%) |
| SGD/JPY | 112.30 | 113.90 | 110.70 | ±¥1.60(≒1.42%) |
| CNY/JPY | 21.20 | 21.50 | 20.90 | ±¥0.30(≒1.42%) |
| KRW/JPY(100 KRW 単位) | 11.00 | 11.50 | 10.50 | ±¥0.50(≒4.5%) |
※ 上記は 2026 年 6 月の参考値。KRW・THB・VND など新興国通貨はスプレッドが 3-6 倍広い点に注意。
TTM の決まり方 — なぜ毎朝 9:55 なのか
日本の金融慣行では、東京外為市場のオープン直後(9:55 頃)の銀行間レートを元に、各銀行が当日の「公示仲値(TTM)」を決定する。三菱 UFJ・三井住友・みずほの 3 メガバンクはこの数字を午前 10 時前後にウェブで公表し、当日の店頭・ATM・送金レートの基準として使う。
ポイントは 2 つ:
- 当日中の市場変動は基本的に反映されない — 午後に円安が進んでも、その日の TTM/TTS/TTB は固定(ただし市場が 2 円以上動くと銀行が「公示仲値変更」を出すことがある)
- Google や XE が出すリアルタイム仲値とは数十銭〜数円ずれる — Google はその瞬間の銀行間レート、TTM は朝 9:55 時点の固定値
つまり「銀行レート(TTM)」と「Wise が使う仲値」は概念は同じだが、Wise は秒単位で更新される一方、銀行は 1 日 1 回。これが、市場が大きく動いた日に Wise の方が有利になる仕組み。
TTS と TTB のスプレッド — なぜ片道 ¥1 取るのか
スプレッド = 銀行の利益 + 為替変動リスクのバッファ。銀行は TTM で外貨を仕入れる保証はなく、変動リスクを抱える。USD/JPY が 1 日で 1.5% 動くこともある現状、片道 ¥1(≒0.66%)は「リスク料 + 利益」の合算として銀行業界の慣行になっている。
通貨別の片道スプレッドが違う理由:
- 流動性が高いほどスプレッドは狭い — USD/EUR は世界の取引の 7 割を占めるので狭い
- 少額・新興国通貨ほどスプレッドが広い — KRW・VND は仕入れコストとリスクが高い
- 観光客向け両替商はメガバンクの 2-5 倍 — 街中の両替商で「USD = 仲値 ±¥3」も普通
¥100,000 を 4 通貨で両替したらいくら戻る?
仲値(TTM)を基準に、メガバンク(TTS/TTB)と Wise(仲値 -0.5%)で実額を比較する。
ケース 1: 日本旅行から USD 100 を持ち帰り → JPY に交換(あなたが売る = TTB を使う)
| 経路 | 適用レート | 受取額 |
|---|---|---|
| メガバンク窓口 | TTB 150.50 円 | ¥15,050 |
| Wise(仲値 -0.5%) | 151.50 × 0.995 = 150.74 円 | ¥15,074(+¥24) |
| 両替商(街中) | 約 148.50 円 | ¥14,850(-¥200) |
| 空港両替 | 約 145.00 円 | ¥14,500(-¥550) |
USD ではメガバンクと Wise の差は小さい(USD は流動性が高くスプレッドが狭いため)。
ケース 2: SGD 1,000 を JPY に交換
| 経路 | 適用レート | 受取額 |
|---|---|---|
| メガバンク窓口 | TTB 110.70 円 | ¥110,700 |
| Wise(仲値 -0.5%) | 112.30 × 0.995 = 111.74 円 | ¥111,740(+¥1,040) |
| 街中の両替商 | 約 109.00 円 | ¥109,000(-¥1,700) |
SGD はマイナー寄りなのでスプレッドが効く。1,000 SGD で約 ¥1,000 の差。
ケース 3: CNY 5,000 を JPY に交換
| 経路 | 適用レート | 受取額 |
|---|---|---|
| メガバンク窓口 | TTB 20.90 円 | ¥104,500 |
| Wise(仲値 -0.5%) | 21.20 × 0.995 = 21.09 円 | ¥105,450(+¥950) |
| 両替商(中国系) | 約 21.00 円 | ¥105,000(+¥500) |
中国系両替商は CNY 在庫を独自に確保するので、メガバンクより有利なこともある。
ケース 4: KRW 1,000,000 を JPY に交換
| 経路 | 適用レート | 受取額 |
|---|---|---|
| メガバンク窓口 | TTB 10.50 円 | ¥105,000 |
| Wise(仲値 -0.5%) | 11.00 × 0.995 = 10.95 円 | ¥109,500(+¥4,500) |
| 両替商(韓国系・新大久保) | 約 10.80 円 | ¥108,000(+¥3,000) |
KRW は片道 4-5% スプレッドが乗るので、Wise の優位が一気に広がる。100 万 KRW(≒¥10 万)で 約 ¥4,500 の差。